今ではあたりまえのように学校で活用されている「市民講師」についての記事。
「ゲストティーチャー」とも呼ばれています。

この「市民講師」を、2002年からの指導要領改訂で導入された「総合的な学習の時間(総合学習)」にコーディネートをする事業が、NPO法人化したアスクネット(当時は愛知市民教育ネット)の原点。

この記事に書いた授業は、NPO法人化してはじめての講師派遣で、ギリギリまで講師が集まらず、困っていたところ、偶然、取材に来てくれたライターさんだった平田節子さんに依頼したことで生まれたエピソードでした。
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(黄柳野高校の当時。教室は木が新しい)

「来週、空いていませんか?黄柳野高校っていうステキな学校があるんですけど、そこで高校生に語ってくれませんか?」と無茶振りでの依頼で実現したのですが、平田さんとしては、その後1年以上講師ができなくなるぐらいショックと語るほどの体験だったそうです。

でも、この体験をきっかけに、平田さんはキャリア教育の世界にどっぷりとはまっていき、その後、経済産業省のキャリア教育事業をすすめていくのになくてはならないキーパーソンになっていくのです。
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当日の平田節子さん。超若い!一生懸命、ライターの仕事について語る。

ちなみに私も、2001年に起こった
9.11同時多発テロのについての講座で講師初登板。
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しかし、
パワーポイントを使って説明する予定がうまく画面が出ず、口頭で説明したので寝る人続出で講座としては大失敗!撃沈!

記事中に書かれた学習指導要領の改訂は「ゆとり教育」と呼ばれ、その教育を受けた世代を「ゆとり世代」と揶揄し、
教育改革の失敗扱いされています。

しかし、この記事で取り上げた「仕事に関する授業」は、
今では「キャリア教育」といって、新たな指導要領にもコンセプトが組み込まれています。それらは、その総合学習があったからこそ、学校のなかで拡がった。この総合学習がなければ、アスクネットは学校と連携はできなかったように思います。その意味では、「ゆとり教育」は、改革にむけての確かな一歩を踏んでいたのです。

市民講師~子ら生き生き"違う側面"======中日新聞2001年12月29日ひととき

 「学校に授業に行った翌日、私のところに生徒から一行のメールがきました。
『仕事のやりがいというのは後についてくるものだ、というのは、進路を決める上でとても参考になりました』と。
授業のなかでは、決してそのような表現は使っていなかったのに、私が授業の中で一番伝えたかったメッセージを彼はわずか一行につかみ、表してくれました。
だから、私は『あの話をこの言葉にできるあなたはすごい。あなたはきっと何をやってもできるから、がんばってね』と返事をしました。彼に、その一言を最後に投げ掛けられたことが大きな事だったのでは、と感じました」

 これは、普段は転職情報誌などでライターをしている市民が、黄柳野高校で講師として「仕事探し」をテーマに授業をした時の感想です。

 この学校では、愛知市民教育ネットが支援し、このとき初めて市民を招いての自由選択授業を行いました。ほかにもさまざまな市民講師による8講座が開講され、普段では出会えない市民から学ぶことで「生徒たちの違う側面が見えて大成功でした」と担当の先生。

 来年度から本格実施される新学習指導要領では、この事例のように市民参加の教育づくりが進められようとしています。これまでも先駆的に取り組んできた学校もありますが、これが日本全国の学校の課題となっていくのです。

 実際の生の体験を話し、子どもたちの心をワクワクさせることができるのは、その現実に身をおいている人をおいてはかにありません。話の稚拙よりも、新しい人との出会いとそこに生まれる現実感から、大人が思っている以上のメッセージを子どもたちは受け取り、自ら変わっていくのです。

 私たち愛知市民教育ネットは、子どもたちの多様な興味にこたえていくため、さまざまな職業・体験・技能をもった市民を登録、学校からの要請に応じて適した市民を講師として紹介する「市民講師ナビ」という事業を開始しました。

 「普段もている仕事を見つめ直すことができた」「今の子どもたちを理解するきっかけになった」など、市民講師になった市民からの反応も寄せられています。
 あなたも市民講師になってみませんか?

 (愛知市民教育ネット代表理事)

 第二回20011229市民講師